論語 學而 六
白文
訓み下し文
語釈(全訳『漢辞海』第三版から)
・孝…(動)①心から父母に仕え従う。{こうタリ}
・弟…(名)①従順さ。すなおさ。《弟あるいは年少者が兄・年長者に対して従順である徳義。一説に、去声で読む》
・謹…(動)①つつし-む。
・信…(形)①まこと。{しんナリ} (ア) ことばが真実であるさま。いつわりのないさま。 (イ) 誠実なさま。忠誠な。
・汎…(形)②大きく広がったさま。あまね-し。ひろ-い・ヒロ-シ。 【連用化】 広範囲に。ひろ-く。あまね-く。
・愛…(動)①人に恩恵をほどこす。めぐむ。いつく-しむ。
・眾(衆)…(名)①多くの人々。「群衆」
・親…(動)①した-しむ。
・悌…(動)②年長者に従う。
語釈(その他)
・信…「言」字はその比定された甲骨文字、金文または小篆の字形を見ると、もと神(上)から下された言葉を指したから、その語義は広く、神意や啓示をはじめ、たとえば言葉の奥に隠された意味、つまり真意などといった意味まで表す場合がある。また、「言」字を用いるときはふつうその発言者が特別な存在であることが意識されている。したがって、「信」字の「亻」偏は「言」を発するような特別な存在、つまり神霊や祖霊といったこの世ならざる人のことであるから、「信」字はもと神意や啓示を垂れるような存在の偽りのない誠実なあり様を指した。
・愛…その比定された小篆の字形を見ると、「愛」字は「韋」字の「口」を「冖+心」に置き換えたものであるから、もと覆い隠されて見えない心の周りを逡巡する様子を表した。
・仁…「仁」字は「人+二」に分解される。通説と異なるが、その語義は案外単純かもしれない。「二」がただ天地を表すとすれば、「亻」偏は天の人を、つまりこの世ならざる人(神霊や祖霊など)を指したのだろう。天にいる人は地を見下ろしては草木花鳥はもちろん、この我々人間をも「仁《いつく》しみ、仁《そだ》てる」のである。この天地における望ましい関係を人と人との間における上下関係に転じて、「仁」字はもと上位に立つ者が下位にある者を慈しみ育むことを言った。
子曰:「弟子入則孝、出則弟、謹而信、汎愛眾、而親仁。行有餘力、則以學文。」
訓み下し文
子曰はく:「弟子入りては則《すなは》ち孝たり、出でては則ち弟たり、謹《つつし》みて信なり、汎《ひろ》く眾を愛《いつく》しみ、而して仁に親しむ。行ふに餘力有れば、則ち以て文を學ぶ。」
語釈(全訳『漢辞海』第三版から)
・孝…(動)①心から父母に仕え従う。{こうタリ}
・弟…(名)①従順さ。すなおさ。《弟あるいは年少者が兄・年長者に対して従順である徳義。一説に、去声で読む》
・謹…(動)①つつし-む。
・信…(形)①まこと。{しんナリ} (ア) ことばが真実であるさま。いつわりのないさま。 (イ) 誠実なさま。忠誠な。
・汎…(形)②大きく広がったさま。あまね-し。ひろ-い・ヒロ-シ。 【連用化】 広範囲に。ひろ-く。あまね-く。
・愛…(動)①人に恩恵をほどこす。めぐむ。いつく-しむ。
・眾(衆)…(名)①多くの人々。「群衆」
・親…(動)①した-しむ。
・悌…(動)②年長者に従う。
語釈(その他)
・信…「言」字はその比定された甲骨文字、金文または小篆の字形を見ると、もと神(上)から下された言葉を指したから、その語義は広く、神意や啓示をはじめ、たとえば言葉の奥に隠された意味、つまり真意などといった意味まで表す場合がある。また、「言」字を用いるときはふつうその発言者が特別な存在であることが意識されている。したがって、「信」字の「亻」偏は「言」を発するような特別な存在、つまり神霊や祖霊といったこの世ならざる人のことであるから、「信」字はもと神意や啓示を垂れるような存在の偽りのない誠実なあり様を指した。
・愛…その比定された小篆の字形を見ると、「愛」字は「韋」字の「口」を「冖+心」に置き換えたものであるから、もと覆い隠されて見えない心の周りを逡巡する様子を表した。
・仁…「仁」字は「人+二」に分解される。通説と異なるが、その語義は案外単純かもしれない。「二」がただ天地を表すとすれば、「亻」偏は天の人を、つまりこの世ならざる人(神霊や祖霊など)を指したのだろう。天にいる人は地を見下ろしては草木花鳥はもちろん、この我々人間をも「仁《いつく》しみ、仁《そだ》てる」のである。この天地における望ましい関係を人と人との間における上下関係に転じて、「仁」字はもと上位に立つ者が下位にある者を慈しみ育むことを言った。
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